歴史的資源の活用

2008年に「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」が制定されて以来、全国各地で地域固有の歴史と文化を活かした「歴史まちづくり」の取り組みが活発化しています。

成熟社会を迎えた現在、文化財保護や町並み保存にとどまらず、地域固有の伝統技術や産業・風習がもつ地域資源としての多面的な価値を引き出し、持続的な地域づくりに活かしていくことが求められています。

そこで、全国各地における地域固有の伝統工法に係るデータの収集・整理、歴史まちづくりの取り組みに関するアイデア・ノウハウの共有に取り組んでいます。

【これまでの活動実績】

<歴まち情報サイト>
「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴史まちづくり法)」の認定都市83市町(2020.7時点)における歴史まちづくりの取り組みを、一元的に管理するデータベースを構築し、オープンソースとして公開しています。(※国土交通省・国土技術政策総合研究所HPで公開中)

<伝統工法研究会>
地域の歴史的風致を構成する建造物の修復・保全の現場では、地域固有の伝統工法に係る人材、材料、資金等の確保が課題とされており、自治体、業界団体、地域住民、民間まちづくり組織、研究機関等、多様なステークホルダーが連携しながら、これら資源の確保に努めることが求められています。

伝統工法の保全・活用に携わる有識者による研究会の開催や、全国各地における取組事例の調査を通じて、伝統工法に係る各種資源を確保し、伝統工法の保全・活用を通じた持続的な地域づくりを進める上での基本的な考え方や具体的なアイデア・ノウハウの共有に取り組んでいます。


<伝統工法データベース>
地域の歴史的風致を構成する建造物等に用いられる、大工・左官・造園・石積みなどの各種伝統工法について、全国各地の分布状況や技術的特徴に関するデータの収集・整理に取り組んでいます。

<歴まち公共デザイン>
歴史まちづくりの現場において、歴史的価値を有する建造物のみならず、一般の土木施設や市街地環境等のハード整備について、デザインの質的向上が求められています。

歴史的市街地における質の高い公共デザインの取組事例の調査を通じて、歴史的風致の維持向上に効果的な公共デザインのアイデアやノウハウの収集・整理に取り組んでいます。